デルピュイネは、身体の半身がドラゴンで、もう半分が女神という姿の神である。彼女は生け贄と引き替えに予言を与えたという。しかしデルポイ神殿での権利はアポロンに奪われてしまったという。
ギリシャ神話のこの話は、それまで大地(蛇に代表される)の支配から、天空(太陽)が世界を支配するようになったのを表しているのではないだろうか。大地母神の神話は大抵作り替えられてしまい、次第に神の居場所は天上になっていった。より高い位置を占めるものが優勢であるという考え方がいかにしてヨーロッパに生まれたのか興味深いところである。