天使の第三位、トローンズは車輪として描かれる。彼らは「緑柱石のように輝いていて、車輪の中に車輪があるよう」な姿であるという。この車輪のイメージは生命の流転、ダイナミクスを表現している。宇宙、および自然は流転しており、また生命も流転している。この天使達は生命を司る天使であり、セラフィム達の「神の愛」ケルビム達の「神の知恵」それらを受けて、トローンズは生命を生み出す。
生命は螺旋を描き、回転しながら天に昇る。その際の乗り物がトローンズである。トローンズは回転上昇する円であり、それは螺旋である。中世キリスト教における「聖霊」は「光と火の車輪」として描かれる。このトローンズはその聖霊の力を得て、神の力を生命に与える。そしてその生命を天上界へ運んでいくのである。