「何故、言葉なのか」
私は今、言葉にしたいことがある。
だけれども言葉になった途端変質するのが分かっている。
言葉は、そのとき、その場所、その状況で刻一刻と変化している。
言葉の変質を味わいたいなら、日記を書けばいい。
日記に書かれた言葉は必ず変質しているだろうから。
変質という言葉がおかしいなら、発酵と言い換えてもいい。
酒と同じように、長い年月を経たものは美味しい酒になっていることもあるだろうから。
酸っぱい酢になっていることも多いから。
多分私たちは言葉を醸しながら、祈るように言葉を紡ぐ。
いつか美味しい酒になりますように。