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龍になった人。
大昔、向有という人が龍珠を手に入れたが、それが世にも珍しい宝物と知らずに、有る人物に粟と交換でやってしまった。その人はそれを口に含んでいたがある日間違って飲み込んでしまった。その後、腹がふくれて水しか飲めなくなってしまった。しばらくすると全身に鱗が生じ、ついに龍となってしまったそうである。
龍がよく手に珠を持っているが、その珠は龍がはき出したもので、価値は非常に高い物だそうである。その龍の珠を飲んでしまったところ、龍になってしまうというのが実に面白い話である。龍珠は力の象徴であり、その珠を偶然手に入れることが龍になる条件ではあるのだが、決してこの話の主人公は龍になりたかったわけではないだろう。あくまで「誤って」食べてしまうのである。 偶然「龍」になるというが、この世界のあり方を写し取っているように思う。力を欲していなかったものが、力を得てしまう。本当に手に入れたがっている者はそれを手に入れることが出来ない。そんな皮肉な世界がこの世界であるという話にも見える。
by homeandhome
| 2004-10-16 18:52
| 龍
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